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★お願い!拡散してね!★今年3月に刊行したSF短編集『花ざかりの方程式』について、ネットで閲覧できる書評をまとめました!
これから拙著を読もうとする方はもちろん、日本SF大賞の時期ということで、推薦や投票の際に参考にしてくだされば幸いです。
【試し読み】
短編「未来までまだ遠い」
web.kawade.co.jp/tameshiyomi…
【雑誌・新聞等書評】
▪︎大森望「数学×SF×純文学でつながる短編集『花ざかりの方程式』」(本の雑誌2026年6月号)
webdoku.jp/mettakuta/omori_n…
▪︎牧眞司「数理世界と独特の抒情〜大滝瓶太『花ざかりの方程式』」(WEB本の雑誌3月24日)
webdoku.jp/newshz/maki/2026/…
▪︎樋口恭介「樋口恭介さん注目のSF小説3冊 存在しない可能性への抵抗」(朝日新聞)
book.asahi.com/article/16518…
▪︎森下一仁「今月のベスト・ブック SF『花ざかりの方程式』大滝瓶太 著」(COLORFUL 今月のベスト・ブック・SF)
colorful.futabanet.jp/articl…
▪︎北村浩子(小説新潮2026年6月号)
bookbang.jp/review/article/8…
▪︎ 渡邊利道「大滝瓶太『花ざかりの方程式』、椎名誠『超巨大歩行機ゴリアテ』、H・G・ウェルズ『深海潜航』…紙魚の手帖vol.29(2026年6月号)書評」
note.com/tokyosogensha/n/n04…
▪︎大野万紀「内輪」(THATTA ONLINE)
thatta-online.com/thatta01/t…
▪︎大澤聡「3月 第三の道 世界が変わる手前に宿る詩情=大澤聡」(毎日新聞)
mainichi.jp/articles/2026032…
▪︎陣野俊文「『花ざかりの方程式』大滝瓶太著 陣野俊史氏が選ぶ一冊」(日経新聞)
nikkei.com/article/DGXZQOUD1…
【動画】
▪︎ほんタメ どんなに多忙でも本を読みまくる読書家の最近読んだ10冊【2026年5月】
youtu.be/vSiHGtIG9rg
▪︎ 香月祥宏と杉江松恋の「これって、SF?」2026年4月号その2 『花ざかりの方程式』大滝瓶太&『星の海を駆ける: 新世代スペース・オペラ傑作選』ジョナサン・ストラーン編/中原尚哉他訳
youtu.be/-KV0d7zKiJU?si=lxgK…
【ブログ等】
▪︎水野勝仁「わたしにとって理想の「思考」を含んだ現象を読む──大滝瓶太『花ざかりの方程式』」
note.com/mmmmm_mmmmm/n/n8e7e…
▪︎suoh「すべてが書かれた宇宙で、他者の手を握る」
note.com/suoh2009/n/n5ea6c97…
▪︎海老原豊「可能性とその表現ーー大滝瓶太『花ざかりの方程式』河出書房新社」
note.com/ebiharayutaka/n/n3b…
【SNS】
▪︎町屋良平
xitter.cf/shosetsunoshigo/status…
▪︎北野勇作
xitter.cf/kitanoyu100/status/203…
▪︎髙村峰生
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▪︎河出書房新社 翻訳書
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沓乃よう「指先まで雨が降っている」を読んだ。#読了
大学で実験用ラットを飼育管理する技術職員の郁(私)の家に、マッチングアプリで知り合った恋人のカイトが仕事をやめて転がり込んでくるのだが、次第にカイトが「臭く」なっっていく……という筋がある。そのほか、ラットの臭いなども描写されるのだが、この小説で描かれる「臭い」ないし「臭さ」は、字義通り嗅覚を指すものというよりは「生の痕跡」と言った方がおそらく正しい。それは生命を肯定してくれるものというより、「生きている」という事実の後ろ暗さ
としてあって、私の部屋や精神から消えずに残り続ける。そしてこの小説は、この痕跡の重たい堆積によって、後半独自の詩性を発揮する。
筋書きこそ違うが、沓乃のデビュー作「ドロップ」とアプローチを本作は踏襲/ブラッシュアップされていると思った。言葉の積み重ねによって詩的な情景を実現させる戦略、とりわけ「生」に関して〝陰〟となっている後ろ暗さを〝異物〟たる手触りとして丹念に描写するスタイルは、この作家の個性なんだろうと感じた。
物語やエピソードという具体を、緻密な描写の蓄積によって乗り越えていく様──言葉という抽象が世界を転覆させ、作品固有のリアリズムを作り出す手腕には驚嘆する。とりわけ本作では、「母の失踪」と「私の自殺未遂」という人生という物語(=具体性)において極めて重要と思われるエピソードについて詳細は語られない。そうした出来事があったということが読者に〝通知〟されるのみであるのだが、そうしたアプローチを取られることで「自身の直接的な体験の開示」が「その当人を書く」ということになるのかという問いを発しているようにわたしは感じた。沓乃は「私」という人間を一人称で書くにおいて、「(自他の区別ない)生の痕跡」の描出/分析に徹していて、それはある意味で自然科学的なアプローチで、化石の年代測定や遺伝子解析みたいな、そういう発想に近く、先に指摘した「異物感」の付与にもなっている。この手続きを経て沓乃の作品は、世界のありようを表現するにおいて「現実らしさを描けば現実になる」というわけではないという立証でもあり、幻覚的な情景が「世界そのもの」たる真実性を担保している。それは現代詩的な構造を小説のやりかたで実現しているともいえるかもしれない。
書けば書くほどスケールの大きなものを書く作家だと思う。たくさん作品発表してほしい。非常におもしろかったです。おすすめ。
草間小鳥子「八月のさざめき」 #読了
激務とハラスメントをきっかけに退職し、心理士のカウンセリングを受けながら療養する「私」が、ひょんなことから祖母の日記を手に取るお話。日記の祖母は戦後間もない時期の学生時代のもので、社会と自分のありようについての模索、奮闘が綴られている。この日記は断章的にイタリック体で挿入され、通常の本文ではその孫娘である「私」の現在と過去の想起が語られる。
〝純文学を読むには現代詩の感覚が必要になるのではないか〟という説があって、わたしはこれに同意するのだが、実作・鑑賞における両者の関係は意外と論じられていない気がするので、ちょうど良い機会だし考えてみたくなった。その話をするには2つほど準備が必要になる。
1つは「長さ」。長詩は考えないとして、両者はともに言語表現でありながら単純に長さ(文字数)がちがう。小説は長く、詩は短い……とだけ言えばバカみたいな話なのだが、これがかなり大きい。表現である以上、一定の弱のなかで〝表現〟とみなせる〝構造〟を成立させねばならないわけで、小説はその〝構造〟を作り上げるための助走がある程度とれるのだが、詩は小説に比べてはるかに短い助走でそれをなさねばならない。ゆえに、割かれる文字に対して表現の密度が高くなり、それはイメージの激しい跳躍や文法を食い破る言葉の配置というかたちであらわれる。
2つめは、その「跳躍」。歌人でもある西崎憲が自身のワークショップで「挙げられた言葉からいちばん遠い言葉を3秒以内に挙げよ」というゲームをしているのだが、これがわかりやすい。たとえば「高い」というお題に「低い」と返すと、反対語という関係性がみられるので遠くはない。同様に「山」とか「お金」とかを答えても、それらに対して「高い」がまっとうな形容になるために遠くはない。「言葉の遠さ」とは、おなじ一文ないし一段落で共存できないこと──つまり「関係性のなさ」の度合いなる。詩的と呼ばれる表現は、関係ないものが関係し、共存しえないものが共存してしまう特殊性(=跳躍)を指しているとも考えていい気がする。小説でもとりわけ〝純文学〟というジャンルでは、この「跳躍」の価値が比較的高い。(厳密には、「跳躍」を許容できるジャンルというだけなのかもしれないのだが……)
ここで本作に話を戻すと、とにかく文章のうまさに驚く。豊富な語彙、的確かつ軽やかな細部の描写、適度な余白はもちろん、全体として「小説」という表現を成立させようとする意識が高い印象を受けた。これは草間の作品だけでなく、複数の詩人による小説に強く感じることで、「小説は詩に比べて長い」ということに由来しているのではないだろうか。現代詩のような瞬発力で構造を立ち上げるのではなく、助走を通して適切な速度で〝構造〟を立ち上げなければ「小説」として読めるものにはならず、その距離感のチューニングが詩人にとっては異質な体験になるだろうと思う。同時に、この異質さ──〝構造〟の立ち上げ方のちがい──の感覚は、現代詩と小説の両方の感覚がなければ決してわからない。詩人の書く小説は基本的に質が高いが、おそらく言葉の跳躍や距離、〝構造〟を立ち上げる感覚の解像度が小説家に比べて高いからなのではないか、とわたしは考えている。
本作は「どのような速度で〝構造〟を立ち上げるか」という戦略が極めて周到だと思った。戦後まもない頃の祖母の日記を当時の言葉で引用的に使用する方法により、過去と現在を記憶やイメージだけでなく言語的にも交錯させ、世代を超えた世界認識の像を小説全体で立ち上げることに成功している。祖母の日記と語りの相補的な積み重ねにより、語りの時系列や意識は次第に自由な跳躍を獲得し、言葉だけでなく、テクストすべてが詩性を獲得する構成は感動的だ。
それはフェミニズム、反戦などのオーバーラップする社会問題を伴いながら真実性を高めていくのだが、一方でそれらがすべて〝妥当すぎる〟ことが気になった。作中で登場する男性が記号的な役割のみにとどまっていたり、社会的テーマについても正直既視感がある。この語り手や家族の実存をなにより優先してこの小説があるとするなら、対比的な連想によって社会的テーマを導入しなくてよかったのではないか。むしろ、語り手や祖母がこの小説のなかで脈絡のない生を生き抜いたとき、社会的テーマは著者の手を離れたかたちで炙り出されたのではないかと思うと惜しいところもある。説明できてしまうということは詩性(跳躍)を失っているということでもあり、それはある程度「小説らしさ」と「現代詩らしさ」でトレードオフな性質もあるかもしれない。それゆえに小説では「提示された構造では決して説明できない不可解さ」に強い力が宿るのだろう。そうした〝説明できない作品〟をいずれ読ませてもらえる予感を感じた一作でした。おすすめ。
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【雑誌・新聞等書評】
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▪︎ 渡邊利道「大滝瓶太『花ざかりの方程式』、椎名誠『超巨大歩行機ゴリアテ』、H・G・ウェルズ『深海潜航』…紙魚の手帖vol.29(2026年6月号)書評」
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▪︎大野万紀「内輪」(THATTA ONLINE)
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▪︎大澤聡「3月 第三の道 世界が変わる手前に宿る詩情=大澤聡」(毎日新聞)
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▪︎陣野俊文「『花ざかりの方程式』大滝瓶太著 陣野俊史氏が選ぶ一冊」(日経新聞)
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▪︎町屋良平
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▪︎河出書房新社 翻訳書
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現在、『花ざかりの方程式』の思想的なベースを論じたゆるふわ文芸批評本『理系の読み方』のKindleが50%オフという衝撃の大安売りとなっています。こちらもぜひ!
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大滝瓶太 retweeted
大滝瓶太『花ざかりの方程式』が刊行されました。驚きです。とくに収録の「コロニアルタイム」などを対象に、「2010年代に起こるべきだったムーヴメント」として桜井晴也、山本浩貴、大滝瓶太と並べて論じたなかで、大滝のみミステリー・エンターテインメント方面へと完全に舵を切るものと思われた2024年末のあの時点では、考えられなかった環境です。
2010年代に起きるべきだった(しかし起きなかった)ムーヴメントとは、はっきり前衛の推進です。これらは2026年現在、文芸誌からは意思をもって撤退されたと判断してよい要素だと思います。あまりにも一面的な観方しかわれわれ書き手は提示できていませんでした。円城塔や山下澄人、岡田利規らによった重要な「作品」群があったにもかかわらずです。つまりここには日本社会(日本文学)と前衛の並走にともなう、ある相性の悪さ、課題をわれわれ以上の世代が突破できなかった責があるでしょう。しかし、批評の本文に書いたように、それぞれが深い歴史的接続のもとに、翻訳小説から直近の日本文学まで、先行作家の要素をいくつものポイントを経て正しく推し進めている「文学」の正統でしかないものです。
2026年現在、桜井、山本、大滝はそれぞれの独創性を密かに推し進め、若い世代を中心に魅了しています。「新しい(かもしれない)小説」は、今後どうやって生き残るか。思考のきっかけとなるべき作品はこれからも徐々に出揃っていくものと考えています。(町屋)
【全文無料公開】大滝瓶太初SF短編集『花ざかりの方程式』連作第1作「未来までまだ遠い」|Web河出
web.kawade.co.jp/tameshiyomi…
大滝瓶太 retweeted
久しぶりに装丁ネイルをやってまして💅
今月は大滝瓶太さんの『花ざかりの方程式』〜!
柔らかな文章なのに、読み進める胸が熱くなった得難い感覚とともに新年度を頑張って生きようと思って、爪に刻んでもらった💐🩵
理系小説フェチにはたまんなかったです。ゴリゴリの文系なんですけどね私は
『花ざかりの方程式』は、野心的探偵小説や理系視点で小説を読み解く試みで注目された著者による短篇集。
テキストが現実を生成するメタフィクションの実践と文学の工学・数理的理解というアプローチが、SF的な語彙や装置を通して融合し、全篇独特の作品に仕上がっています。
hanmoto.com/bd/isbn/97843090…
大滝瓶太 retweeted
大滝瓶太『花ざかりの方程式』をちょっとずつ読んでいるのだが、「ソナタ・ルナティカOp. 69」は、大滝さんとのこのあいだの会話が思い出されると同時に、ギターを真剣にやっていたころの自分の記憶が掘り起こされて、ちょっと特別な読書体験だった。ここでモデルにされているカステルヌオーヴォ・テデスコの名前を普通の読者は知らないと思う。どうもここに書いてあることには虚実が入り混じっているみたいだが、ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの兄パウルが戦争で片腕を失ったピアニストだったことは確かだし、彼のために様々な作曲家が片手のためのピアノ曲を残していることも確かである。ポンセがやたらといい奴として登場する。テデスコの曲はここにも書かれている通り、時代に合わない古風なものが多く、ギター曲がなければ映画作曲家として以外はあまり名前が残らなかったかもしれない。YouTubeでピアノ曲をいくつか聞いてみたけど、自分のような素人が聞いてもだめだこれはという感じであった。MGMの映画で、彼の名前がクレジットされているのは何度も見たことがある。
自分が弾いたことがあるのは「悪魔のカプリッチョ」で、かなりの難曲だが、これはいい曲だと思う。セゴビアの演奏を何度も聞いて、すごくリズムを揺らすなあと思った。ギターの先生の「で、ディアブリコはどうなった」という声をかすかに覚えている。
大滝瓶太 retweeted
どんなに多忙でも本を読みまくる読書家の最近読んだ10冊【2026年5月】 youtu.be/vSiHGtIG9rg?si=Lua8… @YouTubeより
齋藤明里(@akaritter0113 )さんが
小原晩『風を飼う方法』
紗倉まな『あの子のかわり』
大滝瓶太『花ざかりの方程式』
をご紹介下さりました📚
youtube.com/watch?v=vSiHGtIG…
ゲラをなん度も読み返しましたが、やはり『波』は素晴らしい! ウルフのひとつの最高到達点だと思います。ぜひ読んでいただきたい🌊
ヴァージニア・ウルフ『波』
ハヤカワepi文庫
鋭意、ゲラを進めています。あとひと息。
12/3発売予定。お近くの書店さんなどでご予約頂けたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
amzn.asia/d/01iOndXM
沓乃よう「指先まで雨が降っている」を読んだ。#読了
大学で実験用ラットを飼育管理する技術職員の郁(私)の家に、マッチングアプリで知り合った恋人のカイトが仕事をやめて転がり込んでくるのだが、次第にカイトが「臭く」なっっていく……という筋がある。そのほか、ラットの臭いなども描写されるのだが、この小説で描かれる「臭い」ないし「臭さ」は、字義通り嗅覚を指すものというよりは「生の痕跡」と言った方がおそらく正しい。それは生命を肯定してくれるものというより、「生きている」という事実の後ろ暗さ
としてあって、私の部屋や精神から消えずに残り続ける。そしてこの小説は、この痕跡の重たい堆積によって、後半独自の詩性を発揮する。
筋書きこそ違うが、沓乃のデビュー作「ドロップ」とアプローチを本作は踏襲/ブラッシュアップされていると思った。言葉の積み重ねによって詩的な情景を実現させる戦略、とりわけ「生」に関して〝陰〟となっている後ろ暗さを〝異物〟たる手触りとして丹念に描写するスタイルは、この作家の個性なんだろうと感じた。
物語やエピソードという具体を、緻密な描写の蓄積によって乗り越えていく様──言葉という抽象が世界を転覆させ、作品固有のリアリズムを作り出す手腕には驚嘆する。とりわけ本作では、「母の失踪」と「私の自殺未遂」という人生という物語(=具体性)において極めて重要と思われるエピソードについて詳細は語られない。そうした出来事があったということが読者に〝通知〟されるのみであるのだが、そうしたアプローチを取られることで「自身の直接的な体験の開示」が「その当人を書く」ということになるのかという問いを発しているようにわたしは感じた。沓乃は「私」という人間を一人称で書くにおいて、「(自他の区別ない)生の痕跡」の描出/分析に徹していて、それはある意味で自然科学的なアプローチで、化石の年代測定や遺伝子解析みたいな、そういう発想に近く、先に指摘した「異物感」の付与にもなっている。この手続きを経て沓乃の作品は、世界のありようを表現するにおいて「現実らしさを描けば現実になる」というわけではないという立証でもあり、幻覚的な情景が「世界そのもの」たる真実性を担保している。それは現代詩的な構造を小説のやりかたで実現しているともいえるかもしれない。
書けば書くほどスケールの大きなものを書く作家だと思う。たくさん作品発表してほしい。非常におもしろかったです。おすすめ。
桜井晴也『愛について僕たちが知らないすべてのこと』は6年前に著者のブログで一挙掲載された長編で、ぼくはずっと「これが日本文学の最先端にして最高峰やろ!」と叫び続けていました。次の三島由紀夫賞の候補に入ってなかったら日本文学は信じなくていいです。絶対読んで!
amzn.to/4lBSVEr

























