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🎉 新刊案内
『炎陽を撃て』(双葉社) が発売されました。電子版も配信中です。
「小説推理」に連載していた原稿から随所が改稿され、あらためて、新鮮な気持ちで読んでいただける作品に仕上がりました。
1947年。日本の敗戦から2年後。
国共内戦に巻き込まれ、未だ山西省から日本へ帰国できずにいる加藤道雄は、他の隊員と共に特殊な任務を命じられる。
その目的は、重要な軍事機密を握ったままチベットで失踪したアメリカ人の捜索と奪還。
各国の思惑や策謀が入り乱れる中、機密情報を巡る争いが、いま始まろうとしていた――。
登場人物たちが己の置かれた状況と闘う熱い物語であると同時に、人と技術との関係を模索する物語でもあります。
🔔📚 【歴史と冒険の旅を行く】
2026年度の読書週間、最後の紹介本は、近代史を描いた作品群である《戦時上海・三部作+戦後編》の4作です。
これらは、10年以上の歳月をかけて書き続けられ、SF作品と並ぶ、もうひとつの上田の代表作となりました。
三部作は1931年から1945年にかけての物語、戦後編は1947年の物語です。
・『破滅の王』(双葉文庫) ※Audible版もあります
・『ヘーゼルの密書』(光文社文庫)
・『上海灯蛾』(双葉文庫) ※Audible版もあります
・『炎陽を撃て』(単行本/双葉社)
上田の近代史シリーズには、すべてに共通する特徴があります。
・主に、日中戦争の時代に焦点をあてている。(戦後編からは、広く、アジア各地に物語の舞台が拡大され、複数の国を移動する物語となります)
・なんらかの形で、科学が題材として扱われる。
この時代の科学とはどのようなものであったのか。戦争の時代に科学者がどう向き合ったのか。
科学技術が推し進めた新しい時代は、人々にどのように影響を与えたのか。
それらがシリーズのベースにあり、物語を読み解く鍵のひとつになっています。
『破滅の王』では、上海租界に実在した日中共同研究機関「上海自然科学研究所」が描かれました。作中にも記述がある「関東軍防疫給水部の石井四郎が、この研究所を視察したエピソード」は実話です。しかし、その後、上海自然科学研究所が石井の傘下に入ることはありませんでした。
この研究所が、なぜ「細菌兵器の研究」を手がけずに済んだのか。
その理由に著者が強い興味を抱いたことが、作品を執筆するきっかけとなりました。
『炎陽を撃て』は、「山西省残留日本兵問題」という史実を入り口に、戦争の傷跡を描いた作品です。それと同時に、第三世代の核兵器開発を科学者の目から見たエピソードも語られます。
戦争では、勝った側も負けた側も、夥しい数の人間が身体だけでなく心にも深い傷を負い、その傷は、戦後も他者に対する暴力を生み出す源となることがあります。時として、それは、家庭内暴力の形で噴出することもありました(これらは、日本と、日本以外の国の両方で起きました)
本作は、罪を自覚する者たちがそれぞれの道を進む物語であり、最後には、ささやかな希望も置かれます。
近代史シリーズは、個々の作品で主人公が違うので、どの作品からでも読み始められます。
基本にあるのは「葛藤を繰り返す人間の選択の物語」です。
登場人物たちは人生の中で葛藤と選択を繰り返し、そのときに選ばれた道は、時として冒険となる。
『ヘーゼルの密書』は実在した日中和平工作「桐工作」を背景に、上海での和平交渉を描いた作品。
作中で「桐工作」が描かれる部分の会話は、交渉にあたった当事者の手記をベースに描かれており、交渉時の過程はすべて史実通りです。(並行して描かれる主人公たちの行動と交渉は、フィクションです)
『上海灯蛾』は戦中の阿片売買を扱った作品。
この時代、阿片は既に不法に栽培することが禁じられていましたが、土地によっては一般的な農作物のように手軽に栽培され、さまざまな組織で大きな資金源となっていました。
そこに関わることになった、ひとりの自由奔放な日本人の物語。
大変読みやすいと評されることの多い作品で、オーディブル版も好評です。
#読書週間2026
🔔📚 【幽玄の魅力に満ちた、心優しき物語】
《播磨国妖綺譚》シリーズは、現在、第二巻まで刊行されています。
来年刊行予定の第三巻で完結となります。今年の11月末から12月初旬にかけて、具体的な情報が出てくる予定なので、いましばらくお待ちいただければ幸いです。
・第一巻『播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記』(文春文庫)
・第二巻『播磨国妖綺譚 伊佐々王の記』(文庫版は、2027年に文春文庫より刊行)
・第三巻 ※タイトル未定 完結編 (単行本ではなく、最初から文庫で刊行します)
室町時代の播磨国で暮らす法師陰陽師兄弟の呂秀と律秀が、物の怪や亡霊が絡む不思議な出来事を解決していく物語。能楽や播磨国の伝説を取り込んだエピソードもあるところが特徴です。
心温まる物語としてスタートしましたが、第二巻からは、呂秀たちには対処しきれない大きな世の流れも見えてきました。
その最大の出来事は、1441年に起きた嘉吉の乱。征夷大将軍・足利義教が暗殺された事件です。
第二巻から始まった不穏な動きの陰に見え隠れするのは、かつて、南北朝時代に宮中に務めていた謎の陰陽師。その素性が突きとめられる第三巻では、若き日の蘆屋道満とあきつ鬼のエピソードも語られます。
来年の刊行によって「全巻が文庫版でそろう」このシリーズ、既読の方も未読の方も、引き続き、よろしくお願いいたします。
#読書週間2026
🔔📚 【簡単には答えの出ない問いを、それでも問い続ける物語】
《オーシャンクロニクル・シリーズ》は上田の代表的なSF作品です。
大規模海面上昇後の未来世界を描いたこの作品は、初出となった短編「魚舟・獣舟」が発表されたのが2006年で、長きに渡って書き継がれてきた物語です。現在もまだ完結していません。作品はすべて文庫版で手に入ります。
シリーズ作品なので時系列がわかりやすい読み方は、
「魚舟・獣舟」(短編/光文社文庫) →『華竜の宮』上・下(長編/ハヤカワ文庫)→「リリエンタールの末裔」(短編/ハヤカワ文庫) →『深紅の碑文』上・下(長編/ハヤカワ文庫)→『獣たちの海』(短編集/ハヤカワ文庫) 。
「リリエンタールの末裔」は、『深紅の碑文』に登場する人物の若い頃の話です。
海が舞台になっていることから、いつもは海洋SFとして紹介することが多いのですが、実際には、物語の世界はもっと複雑な構造を備えています。
大きな枠組みとしては「個と他者との共存をめぐる物語」というベースがあり、そのうえで、「ヒトとヒトではないもの」「ヒトとその他の生物」「ヒトと地球環境」などの衝突や、「ヒトと技術をめぐる物語」などが描かれます。
アシスタントAIが重要な役割を担う作品群でもあり、「個人」と「組織・国家・民族」との対立や葛藤を扱った作品でもあります。
どの視点から作品を読み解くか、その違いによって、様々な顔を見せる作品群です。
クラシックな本格SFに見えることもあれば、のちに上田が近代史シリーズ(『破滅の王』『ヘーゼルの密書』『上海灯蛾』『炎陽を撃て』)で手がける要素に似た側面もあり、ひと言で「○○SF」とは呼べない性質を備えています。
未知の世界であっても、作中で描かれている諸々は、すべて私たちが暮らす現代社会の延長線上にあります。
そこに生きる人々の暮らしや夢や悲しみが描かれ、ヒトとそれ以外のものたちとの、熱く力強い交流が特徴的な作品群です。
#読書週間2026
本日、産経新聞にて『炎陽を撃て』が紹介されました。
🌟《見捨てられた男たちの密命》
“ 終戦後も中国に取り残され、国共内戦を戦った日本兵たちがいたことをご存じでしょうか? 旧日本軍の上層部が国民党軍の閻錫山と密約を結び、兵士たちを帰国させなかった「山西省残留日本兵問題」です。”
“ 大国の思惑に世界が揺れる今、平和を守ることの尊さを胸に刻む “
sankei.com/article/20261101-…
🔔📚 【小さな扉が、「ここではない、どこか」への入り口となる】
上田のノンシリーズのSF短編集は4冊あり、そのうちの3冊は同じ出版社から出ており、作品の傾向が似ています。中には、のちの長編につながる作品が含まれる本もあります。
単体の作品集として、まずお勧めできるのはこれです。
●『夢みる葦笛』 (光文社文庫)
文庫化済みなので、手軽に購入できます。
同じ出版社から出ている短編集では、下記の作品もあります。
●『魚舟・獣舟』→『華竜の宮』上・下 (ハヤカワ文庫) につながるスタート地点。
●『成層圏の墓標』 →去年単行本で出たばかりなので、文庫化は、もうしばらくお待ちください。
光文社から刊行されている上田の短編集の特徴は、物語の種類が多彩なことです。
SF、ファンタジー、ホラー等々。歴史ものから現代、近未来。AIや宇宙の話も。
どの作品も、基本のアイデアだけで読ませるのではなく、深く情緒を揺さぶる要素が必ずあります。
小説という文字だけで描かれる世界は、読者ごとに違う無数のイメージを生み出します。色や動き、音や匂い、冷たさや温かさなどの感覚や肌触りなど、自由にご想像いただいていることと思います。
#読書週間2026
WEB本の雑誌にて、牧眞司さんが、日中韓SFアンソロジー『猫SF』(皓星社) を取り上げてくださっています。
【今週はこれを読め! SF編】猫とSFの特質〜立原透耶/ファン・モガ/程婧波編『猫SF 滅亡が言った、ニャーと』
webdoku.jp/newshz/maki/2026/…
現在発売中の「本の雑誌」(2026年11月 No.521) にて、
霜月蒼さんが『炎陽を撃て』を取り上げてくださっています。
(該当コーナーは Webには転載されませんので、内容は紙の本でご確認いただければ幸いです)
《北上次郎なら これ推すね》のコーナーで、
” 冒険小説の大作 ”
“ 戦争という巨大な「罪」をめぐる悲痛な物語でありつつ、最後に残るのが希望というところもいい。”
と、ご紹介いただきました。
webdoku.jp/honshi/2026/11-26…
日韓SFアンソロジー『猫SF』のトークイベントが、アーカイヴとして販売中です。詳細はRP先をご参照ください。
【アーカイブ販売中!】
立原透耶×ファン・モガ
「猫が導くSFの愛と連帯」
『日中韓SFアンソロジー[1] #猫SF』刊行記念キックオフトーク!
本屋B&Bでのシリーズ記念イベントは、猫×SFの親和性や日中韓のごとのテーマの展開の傾向などのお話で大盛り上がり! ぜひ書籍と合わせてご覧ください🐈
🔔📚 【物語は世界を広げ、人の生き方を見せてくれる】
読書週間が近づいてきました。(2026年度は10月27日から11月9日まで)
これを機会に、明日から、上田の既刊をいくつかご紹介いたします。
未読の本があれば、手にとっていただければ幸いです。
本は何度読み返しても面白い。
既読の本であっても、引き続き、よろしくお願いいたします。
#読書週間2026
✨ 第10回 未来屋書店小説大賞に、上田の『炎陽を撃て』(双葉社) がノミネートされました。御礼申し上げます。
8月の発売以来、読者の皆さま、書店員の皆さま、出版関係の各方面の皆さまには、大変お世話になっております。
まだまだ遠くまで届き、ひとりでも多くの方に読まれてほしい作品です。
引き続き、よろしくお願いいたします。
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第10回 未来屋小説大賞
ノミネート作品 発表!
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2025年9月~2026年9月までに出版されたものの中から10作品を選出させていただきました!
そして… この作品の中から年末に
第10回大賞👑を決定いたします!
#未来屋小説大賞
🌿 作品イメージ(炎陽:その8)
ヒマラヤ山脈でも標高が低い場所(1200m~2000mあたり)では桜が咲きます。
日本と違って秋から冬にかけて咲くのが特徴です。寒桜よりも開花時期は早めです。
日本のソメイヨシノと比べると色が濃く、遠くから眺めると強く赤味を帯びた花の集まりに見えます。
双方ともにバラ科サクラ属の植物で、花の形もそっくりです。
『炎陽を撃て』の作中で、静かに、印象的な形で登場する花です。
猫がたくさんいるページ‼︎ 猫がたくさんいるページ‼︎ (猫写真たくさんあります)
\note更新/
日中韓SFアンソロジー①『猫SF 滅亡が言った、ニャーと』刊行記念「作家紹介&猫ばなし」
日中韓12名の作家・作品を紹介します。
作家陣とっておきの「猫ばなし」とスナップショットも公開。
つまり……猫がたくさんいるページ!!
🐈🐈🐈要チェック🐈🐈🐈
note.com/koseisha/n/naa6aa84…
🎉 新刊案内
日中韓SFアンソロジー [1] 『猫SF』
(編者: 立原透耶、ファン・モガ、程婧波/
訳者: 【中日】大久保洋子、立原透耶【韓日】加藤慧、廣岡孝弥/皓星社)
本日、発売となりました。上田も寄稿しております。
よろしくお願いいたします。
10月17日 (土) にはトークイベントも開催されます。
詳細はリンク先をご参照ください。
libro-koseisha.co.jp/literat…
🎉 本日、オーディブル版『破滅の王』(双葉社) の配信が始まりました。
ナレーターは水越健さん。
数多くの登場人物たちを、見事に演じ分けてくださっています。
戦時上海・三部作《その1》。
1943年。満洲で開発された治療法のない細菌兵器の行方をめぐって、科学者たちや軍人たちの闘いが始まる。
audible.co.jp/pd/B0HLPVRQBC
ご好評いただいている『上海灯蛾』のオーディブル版も、引き続き、よろしくお願いいたします。
audible.co.jp/pd/B0FNDTB7YK
第三回国際SFシンポジウムに関する第一報です。
参加する作家は今後も増える予定とのこと。
今後も、続報をお待ちください。
第三回国際SFシンポジウム
日本SF作家クラブと慶應SFセンターの主催で2027年4月開催🎊
国内外からのゲスト第1弾が解禁&ポスター募集の要項が発表!
国際SF作家ソンでは、ケン・リュウによる創作ワークショップも😲
virtualgorillaplus.com/topic…












