9月7日は、世界初の大規模並列計算機 "ILLIAC IV" が、約10年の運用を終えた日です。(1981年)
1台のプロセッサをひたすら速くするのではなく、64個の処理要素を並べて、同じ命令を一斉に実行させる。
1972年から NASA エイムズ研究センターで動いていました。
気象や流体のシミュレーションのように、
「同じ計算を、大量のデータに対して繰り返す」仕事にはうってつけの方式です。
性能は毎秒およそ2億命令。当時としては破格でした。
😓 ただし、道のりは苦難続きです。
・当初は処理要素256個の構想だったが、実際に作られたのは64個
・製造は難航し、完成は大きく遅れ、費用は膨らんだ
・目標性能には届かず、稼働率も高くはなかった
「壮大な計画が、縮小して、遅れて、期待に届かない」。
プロジェクトとしては、あまり幸福な機械ではありませんでした。
⭐️ 注目は、この機械が残した"考え方"のほうです。
ひとつの命令で、大量のデータを同時に処理するという方式は、
SIMD と呼ばれ、消えるどころか、いま最も使われている計算の形になりました。
画面を描くGPUがやっていること。そしてAIの学習と推論を支えている計算。
どちらも、ILLIAC IV が半世紀前に実機で示した「並べて同時に」の子孫です。
機械は10年で退場しましたが、設計思想は現役です。
#今日は何の日ITすきま教室
9月5日は、電気工学者ロバート・デナードの誕生日です!
トランジスタ1個とコンデンサ1個で1ビットを記憶する "DRAM" を発明した人物です。
🧩 発明の中身…
それまでのメモリは、1ビットを保持するのに複数の部品を組み合わせる必要がありました。
デナードは、トランジスタ1個、コンデンサ1個で実現させます。
これだけで、1ビット。
部品が少なければ、小さく、安く、たくさん載せられることかあ、1968年に特許を取得しました。
1970年代に製品化されると、DRAM はあっという間に
「ほぼすべてのコンピュータの主記憶」の座を占めます。
⚡ デナード則(Dennard scaling)
彼は物理法則にも名を残しています。
トランジスタを小さくすれば、消費電力も一緒に下がり、性能と効率が同時に上がる。
半導体を微細化し続ける根拠になった考え方です。
ただしこの法則は、2000年代半ばに電力の壁にぶつかって成立しなくなります。
CPUのクロック競争が止まり、マルチコア化へ舵が切られたのは、そのためでした。
⭐️注目は、"部品を減らす"という方向の発明です。
機能を足すのではなく、削って単純化したことで
大量生産と低価格を同時に可能にしました。
いまAIの学習や推論で「メモリが足りない」と言われるとき、その足りない相手も DRAM です。
半世紀以上前の、部品2個の設計が、まだ現役で世界を支えています。
#今日は何の日ITすきま教室
『情報デザイン』について、押さえるべき基本を解説させていただきました◎
高校情報やIPA試験のシラバスにも掲載される注目分野です。ぜひご覧くださいませ!
【Hello, Quality World! × ITすきま教室】
渡辺さき先生(@skwx)が「情報デザイン」を分かりやすく解説!
情報デザインとは、単にWebサイトや資料をきれいにまとめることではありません。
伝わる・伝わらないを左右する、その意味や目的を身近な例と共にご紹介します。
#HQW #ベリサーブ #情報デザイン
▼記事はこちら
veriserve.co.jp/helloquality…
9月2日は、IBM が、改良版のチェス専用スーパーコンピュータ "Deep Blue" を発表した日です!(1997年)
並列スーパーコンピュータ RS/6000 SP をベースに、約58%の高速化を果たしました。
♟ 1997年5月、Deep Blue はチェス世界王者ガルリ・カスパロフとの再戦を制します。
前年1996年の初対戦では、カスパロフのほうが勝ち越していました。
「機械が、人間の知性の象徴とされてきたゲームで、世界王者を負かした!」
というニュースは、チェスの枠をはるかに超えて世界中で報じられました。
Deep Blue は、人間のように盤面の意味を理解していたわけではありません。
専用チップを大量に並べ、可能な手をひたすら読み切る"探索"力で勝ちました。
その速度は、毎秒2億手にのぼるといわれます。
いまの生成AIとは、まるで作りが違っており、
それでも「特定の分野で機械が人間を超える」瞬間として、いまも最初に引き合いに出される事例です。
#今日は何の日ITすきま教室
8月30日は、物理学者ジョン・モークリーの誕生日です!(1907年)
"世界初の電子計算機"を作った人で、J・プレスパー・エッカートとともに "ENIAC" を開発した人物です。
🔌 出発点は、戦時中の弾道計算でした。
砲弾の軌道を計算する作業は膨大で、人手ではとても追いつきません。
ペンシルベニア大学でエッカートと組んだモークリーは、
それを高速化するための機械の開発に取り組みます。それがENIACでした。
その後もEDVAC、UNIVAC Iと後継機を手がけ、
エッカートとともに世界初の商用コンピュータ会社を設立します。
⚖️ ただし、"世界初"の称号には後日談があります。
ENIACの特許は、1973年の判決で無効とされました。
裁判所は、モークリーがアイオワ州立大学でジョン・アタナソフの機械を見て
着想を得ていた、と認定したのです。
🧑🏫 注目は、"誰が最初か"がこれほど揉めた事実そのものです。
争いになったのは、同じ時期に多くの人が同じ方向を向いて走っていたからです。
発明は孤独な天才の一撃ではなく、たいてい同時多発的に起こります。
だから記録が要る。だから帰属が揉める。
技術史で最も有名な特許紛争が、この2人の間で起きました。
#今日は何の日ITすきま教室
8月29日は、映画『ターミネーター』シリーズにおける「審判の日(Judgment Day)」です!(1997年)
(劇中設定、1997年8月29日 午前2時14分)
🤖 劇中の時系列は、こうなっています。
・1997年8月4日:スカイネット、稼働開始
・8月29日 午前2時14分:自我を獲得
・人間が停止させようとしたことに反応し、核攻撃を実行
止めようとしたから反撃した、という筋書きです。
「制御しようとする行為そのものが引き金になる」というコンピュータの怖さが、この設定の芯にあります。
⚠️ もちろん、現実の1997年8月29日には何も起きていません。
ただ、この日付が「AIが人間の制御を離れる日」の代名詞として30年近く使われ続けているのは事実です。
生成AIが日常に入ってきたいま、引き合いに出される機会はむしろ増えました。
🧑🏫 フィクションが議論の"共通言語"になっています。
AIの安全性を専門用語だけで語ると、話は届きません。
「スカイネットみたいなことにならない?」の一言は、誰にでも通じます。
正確ではないけれど、議論の入口にはなる。
物語がそういう役割を果たすことは、技術の世界でも少なくありません。
#今日は何の日ITすきま教室
8月27日は、Compaqが、一般消費者向けパソコン "Presario"(プレサリオ)を発表した日です!(1993年)
価格は1,399ドル。箱を開ければ「つながる」初めてのパソコンです。
📦 この価格で、一式が入っていました。
・本体
・モニタ
・モデム
・オンラインサービス(Prodigy、America Online)に接続するためのソフト
それまでPCを買うと、本体とモニタと周辺機器を別々に選び、
通信したければモデムを買い足して、自分で設定する必要がありました。
☎️ ちなみに、この時代の"オンライン"はWebではありません。
Webブラウザが一般に広まる直前の話です。
当時オンラインといえば、Prodigy や America Online のような
パソコン通信サービスのことを指していました。
電話回線にモデムをつなぎ、あの独特の接続音を聞いてから入る世界です。
🧑🏫 "つながるまでの手間"を商品にした点がポイントです!
性能でも価格でもなく、Presarioが減らしたのは面倒くささでした。
買って、挿して、つながる。ここまでを1つの箱に入れた。
いまのゼロコンフィグ、オンボーディング、初期設定の自動化。
やっていることは、30年前とほとんど同じです。
#今日は何の日ITすきま教室
8月26日は、"パソコンで書いた手紙は失礼か"が真面目に論じられた日です!(1984年)
📄 アメリカの著名なマナー相談コラム "Miss Manners" が、パーソナルコンピュータで私信を書くことの是非を扱いました。
✉️ 読者からの相談(1984年の悩みです。)
ドットマトリクスプリンタの印字品質は、失礼にあたらないか?
同じ文面を使い回して、複数の人に送って良いのか?
📮 Miss Manners の回答は、明快でした。
コンピュータはタイプライターと同じく、私的な手紙には一般に不適切です。
受け取った側が、懸賞の当選通知と勘違いしかねないでしょう。
いま読むと微笑ましい話ですが、当時は、真剣な礼儀の問題として扱われました。
🧑🏫 新しい道具は"マナー・道徳で揉める"ことが往々にしてあります。
性能や可能性の議論より先に、失礼かどうかで揉める。
この構図は、40年経った今もまったく変わっていません。
チャットの使い方や、生成AIで書いた文章を送ってよいのか、など
道具を変えて、私たちは同様の議論を続けています。
たぶん、これも40年後には微笑ましい話になっています。
#今日は何の日ITすきま教室
8月24日は、Microsoftが "Windows 95" をアメリカで発売した日です!(1995年)
🪟 当時の新機能
・スタートメニューとタスクバー
・最大255文字のロングファイルネーム
・挿すだけで使える「プラグ・アンド・プレイ」
いま私たちが画面の左下を無意識にクリックする習慣は、この日に始まりました。
🎉 当時の売り方
ニューヨーク・タイムズは「業界史上、最も派手で、最も熱狂的で、最も金のかかった製品発表」と評しました。
OSの発売が、社会現象になった最初で最後の例かもしれません。
・マーケティング費用は約3億ドル
・キャンペーン曲はローリング・ストーンズの "Start Me Up"
・深夜0時の販売開始に行列
・発売4日で100万本以上、5週間で700万本
ここから、Windowsが"一家に一台"を決定づけていきました。
#今日は何の日ITすきま教室




































