kikuring retweeted
『いやあ、「集団免疫が達成できなかったから、接種を勧めたのは間違いだった」ですか。』
結果責任じゃないんですよ。
変異するウイルスに対して集団免疫が達成できないことなんて最初からわかってたんです。そもそも感染を防がないことすらわかっていた。
でもその声に誰も耳を貸さなかったんです。
本当の問題は、マスコミや免疫についての知識のない言論人までもが「集団免疫!」って叫んで、冷静な声をかき消したことでしょうね。
Replying to @F_Lonly19
いやあ、「集団免疫が達成できなかったから、接種を勧めたのは間違いだった」ですか。
未来を知っている人は強いですねえ。
まず2021年当時、集団免疫の達成を期待する科学的根拠はちゃんとありましたよ。
『Nature Medicine』掲載の研究では、イスラエルの177地域で、ワクチン接種率が20ポイント上がると、未接種の子供の検査陽性割合が約半分になるという関連が確認されています。
nature.com/articles/s41591-0…
これ、机上の空論じゃなくて実証研究なんですけど、違いは分かりますか?
その後、変異株の登場や免疫の減衰で、持続的な集団免疫の達成が困難になりました。
2021年の人間に未来の変異株を予知しろと?
あと、「集団免疫が達成できなかったから接種推奨も間違い」といいたいわけ?
2020年のファイザー製ワクチンの治験では発症予防効果約95%。2021年には入院予防効果約94%という研究結果もありました。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3330…
cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/m…
つまり、集団免疫だけが接種を勧める科学的根拠じゃない。
「事故がゼロにならなかった! だからシートベルトを勧めた奴は間違い!」
あなたの理屈はこれと同じです。
未来の知識で過去を裁く。
いやあ、反論する前に、まず科学と後知恵の違いを勉強していただけませんかね。
kikuring retweeted
さらに言うと、CDCの感染予防効果の数字は測定方法に問題があります。結果だけを鵜呑みにして拡散するのは、素人のやることです。上念さんは素人なので仕方ありませんが、情報を拡散する以上、プロの仕事が求められます。今後も科学の話題を取り扱うなら、プロレベルの知識を身に着けてからに下さい。
kikuring retweeted
価値観の相違(金か真実か)は議論で埋められませんが、科学的見解の相違は実験やデータで埋められます。Natureの記事は教科書レベルの話。教科書の記述は何千もの論文の上に成り立っています。それより1本の原著論文を尊重するのは論外。科学の話に首を突っ込むなら教科書の勉強から始めてください。
掛谷先生、ご意見ありがとうございます。
先生とは埋めがたい基本的な見解の相違があるので、議論するつもりはありません。
ただし、ご紹介いただいたNatureの記事について、大事なディテールがいくつか抜け落ちているようなので、事実関係だけ補足させていただきます。
まず、2021年3月18日のNatureの記事は原著論文ではなく、変異株や免疫減衰などによって持続的な集団免疫の達成が難しいと論じた解説記事です。
その懸念が当時から存在したことは事実です。
一方、2021年3月29日、米CDCはワクチンによる感染予防効果90%を報告。4月28日には英国公衆衛生庁が、家庭内での二次感染が38~49%減少すると発表しています。
さらに、イスラエルの177地域を対象とする研究では、接種率の上昇と未接種者の感染減少との関連が観察され、3月29日にはプレプリントが公開されていました。
つまり、私が発言した2021年6月1日以前に、集団免疫による間接的な防御効果を期待する科学的根拠は、すでに存在していたのです。
もちろん、集団免疫の達成が保証されていたわけではありません。
しかし、「達成には不確実性がある」と「期待する科学的根拠がない」は、まったく別の命題です。
そして、もっと重要なことがあります。
仮に集団免疫を達成できなくても、それは接種を推奨しない理由にはなりません。
ワクチンには、発症や重症化を防ぐという独立した利益があるからです。
集団免疫の達成可能性、感染予防効果、接種推奨の合理性。この三つは区別して評価する必要があります。
私は当時「集団免疫への近道」と述べましたが、「必ず集団免疫が完成する」と断言したわけではありません。
科学的知見は新しい証拠によって更新されるものです。後に予測どおりにならなかったことを理由に、当時存在した実証データまで否定するのは、科学的な評価とは言えないでしょう。
先生が個人的に「騙されていた」とお感じになるのは自由です。
しかし、ご自身の後悔と、2021年当時の科学的根拠の有無とは、分けて考えていただきたいものです。
以上、事実関係の補足でした。
kikuring retweeted
論文を正しく読むには、それなりの訓練が必要です。教科書レベルの知識すら怪しい人が、論文を根拠に何かを主張するのは止めた方がいいです。コロナ禍では、医師ですら生命科学の論文をまともに読めない人が沢山いました。
note.com/hkakeya/n/nf3e641d2…
kikuring retweeted
養老孟司先生との対談、20万回再生を超えました。
ここまで多くの方にご覧いただけるとは思っていませんでした。
ありがとうございます。
猫の話から始まりましたが、いつの間にか、人間とは何か、動物とは何かという話にまで広がっていきました。
まだの方は、ぜひご覧ください。
youtube.com/watch?v=kj0XdIjn…
この対談にもつながる内容を、PHP新書『猫が世界を救う』に書いています。
人間が猫を救ってきたと思っていませんか。
実は、人間の方が猫に救われてきました。
今こそ猫に恩返し。
kikuring retweeted
【教科書の表記が変わるかもしれないミトコンドリア】
noteで記事を書きました!この投稿をリポストすると90%お得に記事を読むことができます。
「α-プロテオバクテリア由来」は、「哺乳類由来」と同じくらい粗い言い方だという事実 | 丸山智久 @tmzo #note note.com/envirome/n/nd95732a…
kikuring retweeted
薬が、効きすぎないようにする役割も喫煙にはあるんです。
ここをあんまり深く掘り下げていない方が結構います。
喫煙は、悪いことばかりではありません。
特に、葉巻や紙のタバコ🚬(フィルターの機能についてはちょっと解りません。)
kikuring retweeted
「油断」が始まった頃に小さなお子さんがいる患者さんには紙オムツのローリングストックをおすすめしてきました 携帯トイレ、生理用品とか水とか オイルショックを想定 だから今さらな感じ みんなでもう準備済み 注射の地雷にしろ自分たちで考えてかわわしていくことが大切かなって思っています
kikuring retweeted
喫煙が実は神経に関連する薬物をいっぱい代謝してくれると言うお話です。
喫煙と禁煙の関係についても。
よかったらノート見てください。
@kkcsze さんいつもリポストありがとうございます。
【無料記事】第21回からだの収支を識るためのLADME入門 :タバコとCYP1A2:喫煙(エンビローム)が遺伝子を叩き起こし、薬の寿命を劇的に縮める理由|丸山智久 @tmzo note.com/envirome/n/naead904…
kikuring retweeted
備蓄を強調するのが従来と違う。ただの災害対策ではない。
災害が殆どないイギリス、アメリカ、フランスでも全く同じタイミングで「水と食料」備蓄を国が呼びかけている。
ちなみに私はイギリスに2008年からいるがこんな呼びかけは初めてであります。
家人はイギリス生まれの50代だが初めて。義母80代によれば終戦以来かもねと。
今回異常な点は、あのイギリスが「水を最低3日分備蓄してくれ」と言ってる点ですよ。
大人一人当たり3リットル、3日分で合計9リットル
さらに「食料3日分」、「現金」「身分証や重要書類のハードコピー」「薬」「ライト」「ベビーフード」「手回しラジオ」「モバイルバッテリー」を用意しろとしつこく言っている。
イギリスは台風や地震がほぼない国なため異常な呼びかけですよ。
さらにこの国は世界最強の諜報がある。日本なぞ真っ青な強力な人らですよ。やはり元帝国ですから。
だから着実な情報がない限りは警告は出さない。その国がこんな異例な警告を出している。コロナの時以上です。
買いだめを嫌うから普通なら備蓄は推奨しない。
しかもあの口の悪い一般民やメディアが今回はバカにしていない。
つまり
発電所
水道
銀行
流通
医療機関
への攻撃が想定されているということですよ。
独立系ジャーナリストや軍事アナリストの中にはアメリカ中間選挙終了後にアメリカはイラクに核兵器を使うのではないかという憶測まである。
イスラエルの現政権も体制維持のためイラン攻撃を推している。
アメリカの空母も中東集結。
イランは反撃として同盟国を攻撃する可能性がある。
日本では災害庁が設立されたが、なぜか急に備蓄をしろと言っている。
有事に備えるべきもの、サイバー攻撃に対処するためのノウハウは以下の記事にまとめましまから今すぐ準備をしてください。
物が無くなる前にとにかく早く動くことです。
日本はインフラの防衛が緩い。イランはゲリラ的な手法やサイバー攻撃をやる可能性もある。闇バイトみたいのをネットで雇って攻撃するから公安や警察のレーダーに引っかからない。
サイバー攻撃に関しては私は一応IT業界に籍を置いてきた人間で、ITガバナンスという運営統括や監査をやる人間で、世界各国、本当の紛争地や途上国など含めセキュリティ担当とも仕事してきたのです。
同僚は各国やNATOの元軍人です。退役した人らが金融や国連機関に来るのですよ。ちなみに私は元国連専門機関の職員でIT の専門職です。
その経験から一般の人がやるべきことをまとめてあります。
どうか一刻も早く高齢者やご近所の方にも教えてあげてください。
●有事に準備する物のリストとサイバー攻撃に対応する方法
@May_Roma ( #めいろま)
note.com/may_roma/n/n6a606fa… note.com/may_roma/n/n6a606fa…
以下はイギリス政府が急に立ち上げた災害対策のサイト。こんなものは今まで見たことがない。サイトの写真も貼っておきます。みたら異常だとわかる。
beready.campaign.gov.uk/be-r…
🤝 Paid partnership
【速報】防災庁、国民へ食料備蓄を緊急要請
47news.jp/15172286.html?utm_…
kikuring retweeted
タバコを吸っている人はコーヒーのカフェインが効かない。
その理由をお話しています。
【からだの収支を識るためのLADME入門 第21回:タバコとCYP1A2:喫煙(エンビローム)が遺伝子を叩き起こし、薬の寿命を劇的に縮める理由】
以下noteの内容ちょっと見せ。
>
今回はタバコのお話です。
まずタバコといっても一般的にも最近はいろいろありますが、葉巻から火をつけるタイプのタバコで想像してください。
タバコもいろいろな成分が含まれていますので今回はその一部を紹介します。
日常的な生活習慣(エンビローム)が、肝臓の代謝工場を「強制的に拡張」してしまうことがあります。その最も強力で身近な例が「喫煙(タバコ)」です。
タバコの煙に含まれる多環芳香族炭化水素という化学物質は、肺から血液に入り、肝臓に到達すると「CYP1A2」という代謝酵素の遺伝子スイッチを強制的にオン(誘導)にします。
続きはノートで、
ぜひお読みください。
@tmzo note.com/envirome/n/naead904…
【無料記事】第21回からだの収支を識るためのLADME入門 :タバコとCYP1A2:喫煙(エンビローム)が遺伝子を叩き起こし、薬の寿命を劇的に縮める理由|丸山智久 @tmzo note.com/envirome/n/naead904…
kikuring retweeted
災害時における最強の飲み物は水道水です。陸上自衛隊でも「水筒に入れるのは水道水」と教わりました。水道水は塩素が入っているので常温で3日ほど持ちますし、傷の手当てにも使えます。災害の発生時は蛇口から水が出るうちに、ポリタンクやペットボトルに汲んでおいてください。
【防災庁 事前防災の徹底を緊急要請】
news.yahoo.co.jp/pickup/6601…
kikuring retweeted
Replying to @muratamika2021
みかさんいつもありがとうございます。この内容の中の、犯人がいわゆるオレオレ詐欺的なサポート闇仕事を呼びかけていたと言う点と、特定されたとされる集合住宅がステップにされていると言う観点も、同意です。
かなりこの件、手口が似ているので、同じような犯罪グループなのかなと考えています。
わたしは8割位の確率で、少なくとも脅迫担当は、個人だと考えています。一方で、情実のオレオレ詐欺的なことを考えると、グループとしては少数なのかなとも考えています。
kikuring retweeted
>【GMOハッキング事件、Xで広まっている話と実態】
ハッキングとセキュリティの領域に足掛け20年いて、今はセキュリティ会社の経営を生業にしています。
皆さまもお気づきかと思いますが、ここ最近のハッキング被害は異常です。
私がこれまでに経験した20年の中でも、ここまで短期間にサイバー攻撃の被害が続いた時期は記憶にありません。
恐ろしい時代に入ったと感じています。
AIを使った侵入ツールの登場で、これまで高度な技術が必要だった攻撃が、ずっと少ない手間でできるようになりつつあります。
中国製とされるARTEXというツールが、日本の企業約20社への攻撃に使われていたという報道もありました。
そんな中で起きた今回のGMOの件では、様々な誤解が広がっていることに不安を覚えています。
今回TBSの報道の中で情報が出ていたXアカウントですが、恐らく犯人か犯人グループの一員である可能性が非常に高いものです。
一方で、このアカウントは後述する理由により特定されることを前提に動いていた可能性が極めて高く(以前から一般人が見てもわかるレベルで犯人のような動きを繰り返していた)、このアカウントが特定されたからといって犯人の特定には大きく寄与しないものと考えています。
そして、今回のようなハッキングの手口は、一人が知っているだけでは防げません。
被害者のふりをして近づく、困っている人に声をかける、それらしい足跡を残して別の誰かに疑いを向けるなど、知っている人が多いほど通用しなくなります。
みんなで知っておくこと自体が、いちばんの防衛になると思っています。
誤った情報の拡散に加担しないためにも、背景から順を追って、できるだけわかりやすく書いておきたいと思います。
一部推測も含みますが、その点は推測と明示します。
長くなりますが、お付き合いください。
①そもそも、なぜ犯人の情報が外から見られるようになったのか
まず、テレビに映ったあのプログラムのような画面ですが、ログそのものではなく、分析した方が材料を並べ直して作った整理用のファイルです。
その上で、なぜこの記録が外から見られるようになったのかですが、10月23日の夕方、犯人は自身が制作した脅迫サイトのファイルを、丸ごと一つのzipファイルにまとめたことが確認できています。
Namecheapという会社の共有レンタルサーバーを使っていたため、通報が集まればサイト停止は免れません。そのため、より独立性の高い環境にサイトを移管したかったものと推測しています。
ただ、犯人はそのzipを、誰でもアクセスできる公開用のフォルダに置いたままにしていました。
しかも、そのフォルダの中身が一覧で見える状態になっていたことによって、そこから解析が広がりました。
その中にあった訪問記録を、分析した方がXの投稿と時系列で並べたものが、テレビに映った画面です。
補足:脅迫サイトを開く危険性について
余談ですが、この脅迫サイトには、見に来た人の情報を記録する仕組みが最初から入っていました。
記録されていたのは、IPアドレス、アクセスした時刻、使っているOSやブラウザの種類などです。
IPアドレスからは、契約しているプロバイダや、だいたいの地域が分かります。会社の回線から見れば、どの会社かも分かることがあります。
GMOの社員なのか、被害者なのか、報道や捜査の関係者なのかなども推測できますし、OSやブラウザの種類は、次の攻撃の下調べにも部分的に活用できます。
開いただけで名前や住所が分かるわけではありません。
ただ、犯人に自分の情報を渡し、相手の観察に協力してしまうことにはなりますので、怖いもの見たさで開くのはやめておいた方がいいと思います。
②今回のXアカウントは何者なのか
では、このXアカウントは何者なのでしょうか。
プロフィールの表示名はDominik、肩書きは自動売買ツールの会社のCEO・創業者となっています。
ただ、中身を見ると不自然な点が多くあります。
作られたのは2025年5月ですが、名前はRaymond、Alejandro A、Dominikと何度も変わっています。
今年2月から8か月ほどまったく投稿していなかったところから、事件のあった10月だけで190件ほど投稿しています。
プロフィールにある会社のサイトも不自然な点が多くあり、書かれている事業はいわゆるアービトラージbotで説明自体はそれらしく書かれている一方で、一方で運営会社の名前、代表者、住所の記載がなく、アプリを開くボタンや運用成績を見るボタンを押してもどこにも飛びませんし、シミュレーションという文字列が残っており、検索しても本サイト以外にこの会社に触れたものが一つも出てきませんでした。
看板として置かれているだけの可能性が高いと私は見ています。
しかも、犯人に関係しているとみられるアカウントは、ほかにも2つ存在しています。
一つは、2019年からあるナイジェリアで作られたアカウントを、攻撃者が購入ないしは乗っ取ったものとみられます。名前は同じくDominikです。
もう一つは日本人のアカウントですが、明らかに乗っ取りに見える挙動になっているため、これらに関してはここでの公開は控えます。
補足:なぜダークウェブではなくXを使ったのかについての仮説
余談ですが、なぜバレる危険を冒してまでXで動いたのかについて、ダークウェブでやればいいのではと思う方もいるかもしれません。
これは目的の違いだと考えており、ダークウェブは盗んだデータを売るための場所で、今回やりたかったのはGMOにお金を払わせることです。
そのためには被害者の怒りをGMOに向けさせる必要があり、一般人が見ることのできる媒体の中で最も拡散力の強いXを選択したのと考えています。
(そもそもXアカウントについても、購入した/乗っ取ったアカウントにVPN経由でアクセスされている場合、身元を特定することは非常に困難です)
③Xアカウントと事件の時系列
ここからは、実際にこのDominikのXアカウントがどのように動いていたのかを、時系列で整理します。
■10月6日
8か月止まっていたDominikのアカウントが動き出しました。
最初に実施したのはGMO公式と熊谷代表のX投稿に対するリプライで、GMOの深刻なセキュリティ問題を非公開で報告したいという内容を送っています。
(これは、脆弱性を見つけた報告者を装って接触し謝礼を求めにいく、ベグバウンティ(to専門家:ハッカーが脅迫目的で実施するバグバウンティのようなイメージ)と呼ばれる手口の入り口だったと考えられます)
■10月7日〜8日
Dominikアカウントが課金して認証バッジを付けた上で、英語で「すぐ稼げるお金を探していないか」と声をかけ始めたり、エンジニアに「今どこかの会社で働いているか」と聞いたりしていることが確認できています。
■10月14日の夜
利用者のサーバーから、手元のパソコンのファイル一覧が一斉に抜かれます。
■10月17日
交渉用ページのドメインが取られます。
■ 10月19日
GMOが調査を始めたとの報道があり、それと同じ日の夕方、このアカウントが日本語で、稼げる仕事の勧誘を始めています(後述)
夜には被害者フォーラムのドメインが取られました。
GMOが外に告知する前日です。
■10月21日
犯人による脅迫が始まった日です。
朝4時、GMOが全サーバーの停止を始めると、昼前、犯人がGMOに最初の脅迫メールを送りました。
要求は、その日の17時までに5000万ドル(約80億円)を暗号資産で払え、というものでした。
夕方、ある利用者の口座から2秒で400万円超が消え、そこから口座の破壊が続き、21時13分、犯人がGMOに、すべて破壊した、とメール。
その3分後、日本人の乗っ取られたXアカウント(特定を防ぐために開示しません)が急に動き出し、熊谷代表などに、Xのリプライで顧客の資金が数百万ドル規模で失われている、と送り始めました。
■10月22日
朝からXで被害報告が相次ぐなか、上記の乗っ取られたXアカウントとDominikアカウントが被害者50名程度に対して被害者フォーラムのURLを送りました。
そしてその後、犯人が被害者にGMOを訴えるのを支援すると一斉メールを送り、22時59分、Dominikアカウントが脅迫サイトを紹介しました。
■ 10月27日
犯人が「情報提供者が前からGMOに何度も連絡していたのに無視された」と主張し始めます(10月6日の返信は、この主張と整合性がある)
④犯人との関係を疑う理由
ここまでの動きだけでも不自然ですが、さらに、判断の材料となる細かいボロの積み重ねについてもまとめました。
ActiveTKさんという方の素晴らしい調査結果からお借りしました。ありがとうございます。
・役員と口座の持ち主にしか届いていないはずの脅迫メールの画像を、日本人の乗っ取られたとみられるアカウントが、届いてから5時間半後に貼っていたこと
* このアカウントが貼った一斉メールのGmailスクショに、Gmailで受け取った人なら必ず出る「me」の表示がなかったこと
* 2つのアカウントとフォーラムの書き込みが、5時間以上、1分も重ならずに交互に動いていたこと
* フォーラムの最初の被害報告が、脅迫メールの口座とそのパスワードの一部を使ったでっち上げだったこと
一方で、後述する「bot」という共通項から、ここがバレても全く問題ないつもりで適当にやっていたんだなとも感じています。
犯人がGMOとの交渉用に作ったページは、10月19日の時点ではMultiBotという名前で、脅迫を始めた21日にBotFleetという名前に変わっており、このアカウントが誘導した被害者フォーラムサイトのアドレスにも「bots」という文字が入っています(アクセスするとIPなどが抜かれるため、掲載は伏せます)
他方、このDominikのアカウントについてですが、まず肩書きが自動売買botの会社のCEOです。
事件前から対象Xアカウントで自動売買botの開発者を募集しており、FX口座を溶かした手段も自動売買botなので、botという共通点が強く確認できます(今回の犯行において用いられたコードにも、何かしらの形で携わっていた可能性も考えましたが、自分だったら今回の実行用アカウントとは別のアカウントを立てて実施しますので、さすがにそこまで間抜けなことはしないのではないかと思います)
総じて、経験不足によるものというよりかは、このXアカウントが割れても全く問題ないと考えている、ある意味の余裕を感じました。
⑤大半はAIで作られているが、人間のミスが目立つ
今回の痕跡を見ていると、AIで作ったように見えるものと、人間が急いで操作したことで生まれたように見えるミスがあります。
・被害者フォーラム
スレッドは200件以上ありますが、実はほとんどが同じ5本の使い回しです。
書かれているのは「2026年9月にデスクトップアプリが不正アクセスを受けてAPIキーが盗まれた」という、実際とはまるで違う事件の話でした。
注意事項も暗号資産向けの内容になっており、犯人も色々と確認する余裕のない状況だということが見て取れます。
・脅迫サイト
同じページ内で数値の齟齬があったり、GMO宛ての日本語は直訳調なのに、被害者宛ての日本語だけ妙に自然になっていたりします。
内容をしっかりとレビューできていないことが伺えます(と共に日本人である可能性は低いのではないかとも考えますが、ここについては本当に一切確認する余裕がない状況だったかもしれないため、明言は避けます)
一方で、役員宛てのメールを被害者のふりをして配ったり、送った側の画面を受け取った画面として貼ったり、2つのアカウントを1人で切り替えていたりするところは、どれも人間が急いで回したところから出ているように見えるため、文章はAIでもうまく作れますが、オペレーション部分に関しては人間がやるしかなかったようで、そこでつまずいているのだと思います。
⑥日本の集合住宅のIPアドレスは、本当に犯人のものなのか
そして、同じくIPアドレスから特定が進みそうという話で盛り上がっています。
ただ、自分の見立てとしては、このIPアドレスは踏み台として使われた回線で、その利用者はむしろ被害者である可能性も十分にあると考えています。
そのため、ここについてもかなり慎重になった方がいいという意見です。
10月19日、GMOが調査を始めた日の夕方、Dominikのアカウントは「即金」や「副業」「お金に困っている」といったハッシュタグで投稿した人たちに、片っ端から返信していました。
内容は「稼げるお仕事の案件があるのでDMを送ってもいいか」というものです。
指示役がSNSで日本の手足を集める時の、ここ数年の闇バイトと同じ構図です。
何を頼もうとしたのかはわかりませんが、この文脈から入って日本の闇バイトでよくあるのは、「スマホや回線を貸すだけ」「口座を貸すだけ」「電話するだけ」といった類のものが多いです。
海外の犯人が日本で手足を集めていたなら、その誰かの家の回線を借りていた可能性があります。
お金を払って一般家庭の回線を借りるサービスもありますし、その場合、住人はむしろ回線を使われた被害者です。
落ち着いて考えると、分析で出ているのは、犯人らしき動きの中に、日本の集合住宅のような回線からのアクセスが混ざっていたというところまでです。
ここからの調査は一般人を傷つける可能性があるため、非常に慎重に動くべきだと考えています。
こういった偽装はハッキングにおいて基本中の基本とも言われる偽装手段です。
2012年のPC遠隔操作事件では、他人のパソコンが乗っ取られて犯行予告が送られ、無実の4人が逮捕されたこともありました。
この回線から見ていたのが本人なのか、本人が誰かの回線を借りていたのかは、外からは区別がつきません。
ただ、このアカウントが日本人に対して稼げる案件があると勧誘していたのは、その3日前のことであり、何かしらの関係性がある可能性も十分にあると考えています。
⑦今回のハッカーは、本当に素人だったのか
ネットでは、ハッカーはばかだ、素人だ、という声をよく見かけますが、準備と侵入は手慣れている印象を持っています。
侵入も1台ずつ破ったものではなく、10月14日の夜、利用者のサーバー10台のうち7台でほぼ同じ1秒に処理が動いており、全体を管理する側から、一斉に命令を出したとみられます。
使い捨てのメール、匿名のメッセンジャー、途中で変わる差出人の名前など、作業した端末も1台ではありません。
作業に使われたWindowsは英語版でしたが、表計算ソフトは中国語の画面のものでした。
これだけを見ると中国語圏の人に見えますが、こうした痕跡は調べられれば必ず見られるものなので、わざと中国語のソフトを使ったなど偽装の可能性も大いにあります。
犯人側の手作業とみられる動きは日本時間の深夜2時から朝7時のあいだに一度もないことから、日本と日本ないしは日本とそこまで時差のない環境である可能性もあります(もちろん、日本の生活リズムに合わせて生活した可能性も十分に考えられるため、ここはあくまでも事実に基づく仮説として置いておきます)
少なくともこれだけの時間が経ってもなおいまだに特定できていないことから、一定の技術水準を持っていると考えています。
一方で、上述した通り脅迫と世論工作の段階に入ってからがボロボロで、
・被害者のふりをしたアカウントが、役員にしか届いていないメールを配ってしまった(GMO側から支払われないシナリオを想定していなかったため対策不足だった)
・2つのアカウントを1人で切り替えていたので、投稿時刻が一度も重ならない(単独実行の可能性を示唆してしまう)
・脅迫サイトのファイルをまとめたzipを誰でも見られる場所に置き忘れた(確認する余裕もないことが伺える)
・被害者フォーラムの中身は、実際とはまるで違う事件の話でAIに作らせてそのまま貼ったように見える(確認する余裕もないことが伺える)
仮に偽装が混ざっているとしても、これらは計画して残したものにしては出方があまりに雑に見えます。
しかも、犯人の動きはGMOの動きにその都度すぐ反応しており、GMOが調査を始めた10月19日の夜に被害者フォーラムのドメインを取って、GMOがサーバーを止めた10月21日のうちに脅迫を始め、GMOがパスワードの変更を呼びかけた10月22日の夜にはそれに反論するメールを被害者に送り、熊谷代表がブログを書いた翌日にはそれに反論する見解を出すなど、じっくり検討する時間もなく、場当たり的に対応していたように見えます。
こうした点から、脅迫や世論工作の筋書きを作っていたのは、かなり少人数か、単独の可能性が高いと私は考えています。
少人数で手を広げたため、ロジックを詰めきれずつじつまが合わなくなっていったというのは、前半の丁寧さと後半の雑さの差に説明がつくと考えます。
⑧GMOの対応について、私の見解
GMOの対応については、ネット上でもさまざまな意見があります。
身代金の要求額は当初5000万ドル(約80億円)だったものの、100万ドル(約1.5億円)まで下がっています。
犯人はここまで下げれば払うだろうと見込んでいたのだと思いますが、それでもGMOは最初から最後まで一度も応じず、戦うという判断をしました。
払わなかったことは批判もされていましたが、結果を見ると、この判断は犯人をあぶり出すうえでかなり効いていたと私は考えています。
GMOが応じないので、犯人は圧力をかける手段を次々に増やすしかなくなった結果として、役員への脅迫、被害者へのメール、被害者フォーラム、被害者のふりをしたアカウント、要求額の引き下げ、個人情報の公開などの想定外の手数を増やすたびにボロが出ていき、28日のドメイン事業者からのドメイン停止もあり、犯人側が一時退避したという見方をしています。
そもそも、払ってもデータが消される保証はありませんし、身代金を払わないことは、警察や専門家が一般的に勧めている対応でもあります。
(もちろん、侵入を許したこと、社内で指摘されていた課題への対応が遅れたこと、個人情報の流出が発生したことに関しては、それとは別に問われるべきだと思います)
⑨最後に、皆さんに実践してほしいこと
最後に、自分ごととして持ち帰っていただきたい、すぐにできる対策を書いておきます。
参考にして、一つ一つ実践いただけると本望です。
■一般の方へ
怖いもの見たさで、脅迫サイトや怪しいリンクを開かないでください。
開いただけで、IPアドレスや使っている端末の情報が相手に渡ることがあります。
事件のあとに、被害者の会や補償のサポートを名乗って近づいてくるアカウントは、まず疑ってください。
認証バッジは、お金を払ったという印で、身元の保証ではありません。このアカウントも課金してバッジを付けていました。
お金に困っていることをハッシュタグで書くと、こういうアカウントに見つかります。
知らない人からの「案件があります」という声かけは、入口だと思ってください。
使っていないSNSアカウントは、消すか、2段階認証をかけておいてください。
今回も、何年も放置されていたアカウントが工作に使われていました。
困ったらまずは、ChatGPT、Claude、Geminiのどれでも大丈夫なので、AIに詳細に状況を伝えて、相談するようにしてください(パスワードや口座番号などは入力しないでください)
実際にお金や情報の被害が出ているときは、AIより先に、警察のサイバー犯罪相談窓口や、利用しているサービスの公式窓口に連絡してください。
■法人の方へ
「脆弱性を見つけたので非公開で話したい」という連絡には、善意の報告と、謝礼目当てのベグバウンティと呼ばれるものが混ざっています。
受け付ける窓口とレポートライン、対応ルールを、先に決めておくことが大切です。
会社の回線から見るとどの会社の誰が反応しているかを相手に教えることになるため、社員さん達が脅迫サイトや犯人の関連サイトを会社の回線から見に行かないよう、周知してください。
使い終わったサーバーやアカウントを放置しないでください。
残っているものは狙われると考えておいた方がいいと思います。
■リモートデスクトップを使う方へ
接続設定で、手元のPCのドライブを共有する項目がオンになっていないか確かめてください。
オンだとつないだ先のサーバーから自分のPCのファイルが見えます(今回はそこから利用者の手元のファイル一覧が抜かれていました)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
冒頭にも書きましたが、こうした手口は、一人が知っているだけでは防げません。知っている人が多いほど、通用しなくなります。
ご家族や職場の方、FXやリモートのサーバーを使っている知り合いなど、届いてほしい人がいれば、ぜひ拡散していただけたらうれしいです。
それがそのまま、誰かを守ることにつながると思っています。
【GMOハッキング事件、Xで広まっている話と実態】
ハッキングとセキュリティの領域に足掛け20年いて、今はセキュリティ会社の経営を生業にしています。
皆さまもお気づきかと思いますが、ここ最近のハッキング被害は異常です。
私がこれまでに経験した20年の中でも、ここまで短期間にサイバー攻撃の被害が続いた時期は記憶にありません。
恐ろしい時代に入ったと感じています。
AIを使った侵入ツールの登場で、これまで高度な技術が必要だった攻撃が、ずっと少ない手間でできるようになりつつあります。
中国製とされるARTEXというツールが、日本の企業約20社への攻撃に使われていたという報道もありました。
そんな中で起きた今回のGMOの件では、様々な誤解が広がっていることに不安を覚えています。
今回TBSの報道の中で情報が出ていたXアカウントですが、恐らく犯人か犯人グループの一員である可能性が非常に高いものです。
一方で、このアカウントは後述する理由により特定されることを前提に動いていた可能性が極めて高く(以前から一般人が見てもわかるレベルで犯人のような動きを繰り返していた)、このアカウントが特定されたからといって犯人の特定には大きく寄与しないものと考えています。
そして、今回のようなハッキングの手口は、一人が知っているだけでは防げません。
被害者のふりをして近づく、困っている人に声をかける、それらしい足跡を残して別の誰かに疑いを向けるなど、知っている人が多いほど通用しなくなります。
みんなで知っておくこと自体が、いちばんの防衛になると思っています。
誤った情報の拡散に加担しないためにも、背景から順を追って、できるだけわかりやすく書いておきたいと思います。
一部推測も含みますが、その点は推測と明示します。
長くなりますが、お付き合いください。
①そもそも、なぜ犯人の情報が外から見られるようになったのか
まず、テレビに映ったあのプログラムのような画面ですが、ログそのものではなく、分析した方が材料を並べ直して作った整理用のファイルです。
その上で、なぜこの記録が外から見られるようになったのかですが、10月23日の夕方、犯人は自身が制作した脅迫サイトのファイルを、丸ごと一つのzipファイルにまとめたことが確認できています。
Namecheapという会社の共有レンタルサーバーを使っていたため、通報が集まればサイト停止は免れません。そのため、より独立性の高い環境にサイトを移管したかったものと推測しています。
ただ、犯人はそのzipを、誰でもアクセスできる公開用のフォルダに置いたままにしていました。
しかも、そのフォルダの中身が一覧で見える状態になっていたことによって、そこから解析が広がりました。
その中にあった訪問記録を、分析した方がXの投稿と時系列で並べたものが、テレビに映った画面です。
補足:脅迫サイトを開く危険性について
余談ですが、この脅迫サイトには、見に来た人の情報を記録する仕組みが最初から入っていました。
記録されていたのは、IPアドレス、アクセスした時刻、使っているOSやブラウザの種類などです。
IPアドレスからは、契約しているプロバイダや、だいたいの地域が分かります。会社の回線から見れば、どの会社かも分かることがあります。
GMOの社員なのか、被害者なのか、報道や捜査の関係者なのかなども推測できますし、OSやブラウザの種類は、次の攻撃の下調べにも部分的に活用できます。
開いただけで名前や住所が分かるわけではありません。
ただ、犯人に自分の情報を渡し、相手の観察に協力してしまうことにはなりますので、怖いもの見たさで開くのはやめておいた方がいいと思います。
②今回のXアカウントは何者なのか
では、このXアカウントは何者なのでしょうか。
プロフィールの表示名はDominik、肩書きは自動売買ツールの会社のCEO・創業者となっています。
ただ、中身を見ると不自然な点が多くあります。
作られたのは2025年5月ですが、名前はRaymond、Alejandro A、Dominikと何度も変わっています。
今年2月から8か月ほどまったく投稿していなかったところから、事件のあった10月だけで190件ほど投稿しています。
プロフィールにある会社のサイトも不自然な点が多くあり、書かれている事業はいわゆるアービトラージbotで説明自体はそれらしく書かれている一方で、一方で運営会社の名前、代表者、住所の記載がなく、アプリを開くボタンや運用成績を見るボタンを押してもどこにも飛びませんし、シミュレーションという文字列が残っており、検索しても本サイト以外にこの会社に触れたものが一つも出てきませんでした。
看板として置かれているだけの可能性が高いと私は見ています。
しかも、犯人に関係しているとみられるアカウントは、ほかにも2つ存在しています。
一つは、2019年からあるナイジェリアで作られたアカウントを、攻撃者が購入ないしは乗っ取ったものとみられます。名前は同じくDominikです。
もう一つは日本人のアカウントですが、明らかに乗っ取りに見える挙動になっているため、これらに関してはここでの公開は控えます。
補足:なぜダークウェブではなくXを使ったのかについての仮説
余談ですが、なぜバレる危険を冒してまでXで動いたのかについて、ダークウェブでやればいいのではと思う方もいるかもしれません。
これは目的の違いだと考えており、ダークウェブは盗んだデータを売るための場所で、今回やりたかったのはGMOにお金を払わせることです。
そのためには被害者の怒りをGMOに向けさせる必要があり、一般人が見ることのできる媒体の中で最も拡散力の強いXを選択したのと考えています。
(そもそもXアカウントについても、購入した/乗っ取ったアカウントにVPN経由でアクセスされている場合、身元を特定することは非常に困難です)
③Xアカウントと事件の時系列
ここからは、実際にこのDominikのXアカウントがどのように動いていたのかを、時系列で整理します。
■10月6日
8か月止まっていたDominikのアカウントが動き出しました。
最初に実施したのはGMO公式と熊谷代表のX投稿に対するリプライで、GMOの深刻なセキュリティ問題を非公開で報告したいという内容を送っています。
(これは、脆弱性を見つけた報告者を装って接触し謝礼を求めにいく、ベグバウンティ(to専門家:ハッカーが脅迫目的で実施するバグバウンティのようなイメージ)と呼ばれる手口の入り口だったと考えられます)
■10月7日〜8日
Dominikアカウントが課金して認証バッジを付けた上で、英語で「すぐ稼げるお金を探していないか」と声をかけ始めたり、エンジニアに「今どこかの会社で働いているか」と聞いたりしていることが確認できています。
■10月14日の夜
利用者のサーバーから、手元のパソコンのファイル一覧が一斉に抜かれます。
■10月17日
交渉用ページのドメインが取られます。
■ 10月19日
GMOが調査を始めたとの報道があり、それと同じ日の夕方、このアカウントが日本語で、稼げる仕事の勧誘を始めています(後述)
夜には被害者フォーラムのドメインが取られました。
GMOが外に告知する前日です。
■10月21日
犯人による脅迫が始まった日です。
朝4時、GMOが全サーバーの停止を始めると、昼前、犯人がGMOに最初の脅迫メールを送りました。
要求は、その日の17時までに5000万ドル(約80億円)を暗号資産で払え、というものでした。
夕方、ある利用者の口座から2秒で400万円超が消え、そこから口座の破壊が続き、21時13分、犯人がGMOに、すべて破壊した、とメール。
その3分後、日本人の乗っ取られたXアカウント(特定を防ぐために開示しません)が急に動き出し、熊谷代表などに、Xのリプライで顧客の資金が数百万ドル規模で失われている、と送り始めました。
■10月22日
朝からXで被害報告が相次ぐなか、上記の乗っ取られたXアカウントとDominikアカウントが被害者50名程度に対して被害者フォーラムのURLを送りました。
そしてその後、犯人が被害者にGMOを訴えるのを支援すると一斉メールを送り、22時59分、Dominikアカウントが脅迫サイトを紹介しました。
■ 10月27日
犯人が「情報提供者が前からGMOに何度も連絡していたのに無視された」と主張し始めます(10月6日の返信は、この主張と整合性がある)
④犯人との関係を疑う理由
ここまでの動きだけでも不自然ですが、さらに、判断の材料となる細かいボロの積み重ねについてもまとめました。
ActiveTKさんという方の素晴らしい調査結果からお借りしました。ありがとうございます。
・役員と口座の持ち主にしか届いていないはずの脅迫メールの画像を、日本人の乗っ取られたとみられるアカウントが、届いてから5時間半後に貼っていたこと
* このアカウントが貼った一斉メールのGmailスクショに、Gmailで受け取った人なら必ず出る「me」の表示がなかったこと
* 2つのアカウントとフォーラムの書き込みが、5時間以上、1分も重ならずに交互に動いていたこと
* フォーラムの最初の被害報告が、脅迫メールの口座とそのパスワードの一部を使ったでっち上げだったこと
一方で、後述する「bot」という共通項から、ここがバレても全く問題ないつもりで適当にやっていたんだなとも感じています。
犯人がGMOとの交渉用に作ったページは、10月19日の時点ではMultiBotという名前で、脅迫を始めた21日にBotFleetという名前に変わっており、このアカウントが誘導した被害者フォーラムサイトのアドレスにも「bots」という文字が入っています(アクセスするとIPなどが抜かれるため、掲載は伏せます)
他方、このDominikのアカウントについてですが、まず肩書きが自動売買botの会社のCEOです。
事件前から対象Xアカウントで自動売買botの開発者を募集しており、FX口座を溶かした手段も自動売買botなので、botという共通点が強く確認できます(今回の犯行において用いられたコードにも、何かしらの形で携わっていた可能性も考えましたが、自分だったら今回の実行用アカウントとは別のアカウントを立てて実施しますので、さすがにそこまで間抜けなことはしないのではないかと思います)
総じて、経験不足によるものというよりかは、このXアカウントが割れても全く問題ないと考えている、ある意味の余裕を感じました。
⑤大半はAIで作られているが、人間のミスが目立つ
今回の痕跡を見ていると、AIで作ったように見えるものと、人間が急いで操作したことで生まれたように見えるミスがあります。
・被害者フォーラム
スレッドは200件以上ありますが、実はほとんどが同じ5本の使い回しです。
書かれているのは「2026年9月にデスクトップアプリが不正アクセスを受けてAPIキーが盗まれた」という、実際とはまるで違う事件の話でした。
注意事項も暗号資産向けの内容になっており、犯人も色々と確認する余裕のない状況だということが見て取れます。
・脅迫サイト
同じページ内で数値の齟齬があったり、GMO宛ての日本語は直訳調なのに、被害者宛ての日本語だけ妙に自然になっていたりします。
内容をしっかりとレビューできていないことが伺えます(と共に日本人である可能性は低いのではないかとも考えますが、ここについては本当に一切確認する余裕がない状況だったかもしれないため、明言は避けます)
一方で、役員宛てのメールを被害者のふりをして配ったり、送った側の画面を受け取った画面として貼ったり、2つのアカウントを1人で切り替えていたりするところは、どれも人間が急いで回したところから出ているように見えるため、文章はAIでもうまく作れますが、オペレーション部分に関しては人間がやるしかなかったようで、そこでつまずいているのだと思います。
⑥日本の集合住宅のIPアドレスは、本当に犯人のものなのか
そして、同じくIPアドレスから特定が進みそうという話で盛り上がっています。
ただ、自分の見立てとしては、このIPアドレスは踏み台として使われた回線で、その利用者はむしろ被害者である可能性も十分にあると考えています。
そのため、ここについてもかなり慎重になった方がいいという意見です。
10月19日、GMOが調査を始めた日の夕方、Dominikのアカウントは「即金」や「副業」「お金に困っている」といったハッシュタグで投稿した人たちに、片っ端から返信していました。
内容は「稼げるお仕事の案件があるのでDMを送ってもいいか」というものです。
指示役がSNSで日本の手足を集める時の、ここ数年の闇バイトと同じ構図です。
何を頼もうとしたのかはわかりませんが、この文脈から入って日本の闇バイトでよくあるのは、「スマホや回線を貸すだけ」「口座を貸すだけ」「電話するだけ」といった類のものが多いです。
海外の犯人が日本で手足を集めていたなら、その誰かの家の回線を借りていた可能性があります。
お金を払って一般家庭の回線を借りるサービスもありますし、その場合、住人はむしろ回線を使われた被害者です。
落ち着いて考えると、分析で出ているのは、犯人らしき動きの中に、日本の集合住宅のような回線からのアクセスが混ざっていたというところまでです。
ここからの調査は一般人を傷つける可能性があるため、非常に慎重に動くべきだと考えています。
こういった偽装はハッキングにおいて基本中の基本とも言われる偽装手段です。
2012年のPC遠隔操作事件では、他人のパソコンが乗っ取られて犯行予告が送られ、無実の4人が逮捕されたこともありました。
この回線から見ていたのが本人なのか、本人が誰かの回線を借りていたのかは、外からは区別がつきません。
ただ、このアカウントが日本人に対して稼げる案件があると勧誘していたのは、その3日前のことであり、何かしらの関係性がある可能性も十分にあると考えています。
⑦今回のハッカーは、本当に素人だったのか
ネットでは、ハッカーはばかだ、素人だ、という声をよく見かけますが、準備と侵入は手慣れている印象を持っています。
侵入も1台ずつ破ったものではなく、10月14日の夜、利用者のサーバー10台のうち7台でほぼ同じ1秒に処理が動いており、全体を管理する側から、一斉に命令を出したとみられます。
使い捨てのメール、匿名のメッセンジャー、途中で変わる差出人の名前など、作業した端末も1台ではありません。
作業に使われたWindowsは英語版でしたが、表計算ソフトは中国語の画面のものでした。
これだけを見ると中国語圏の人に見えますが、こうした痕跡は調べられれば必ず見られるものなので、わざと中国語のソフトを使ったなど偽装の可能性も大いにあります。
犯人側の手作業とみられる動きは日本時間の深夜2時から朝7時のあいだに一度もないことから、日本と日本ないしは日本とそこまで時差のない環境である可能性もあります(もちろん、日本の生活リズムに合わせて生活した可能性も十分に考えられるため、ここはあくまでも事実に基づく仮説として置いておきます)
少なくともこれだけの時間が経ってもなおいまだに特定できていないことから、一定の技術水準を持っていると考えています。
一方で、上述した通り脅迫と世論工作の段階に入ってからがボロボロで、
・被害者のふりをしたアカウントが、役員にしか届いていないメールを配ってしまった(GMO側から支払われないシナリオを想定していなかったため対策不足だった)
・2つのアカウントを1人で切り替えていたので、投稿時刻が一度も重ならない(単独実行の可能性を示唆してしまう)
・脅迫サイトのファイルをまとめたzipを誰でも見られる場所に置き忘れた(確認する余裕もないことが伺える)
・被害者フォーラムの中身は、実際とはまるで違う事件の話でAIに作らせてそのまま貼ったように見える(確認する余裕もないことが伺える)
仮に偽装が混ざっているとしても、これらは計画して残したものにしては出方があまりに雑に見えます。
しかも、犯人の動きはGMOの動きにその都度すぐ反応しており、GMOが調査を始めた10月19日の夜に被害者フォーラムのドメインを取って、GMOがサーバーを止めた10月21日のうちに脅迫を始め、GMOがパスワードの変更を呼びかけた10月22日の夜にはそれに反論するメールを被害者に送り、熊谷代表がブログを書いた翌日にはそれに反論する見解を出すなど、じっくり検討する時間もなく、場当たり的に対応していたように見えます。
こうした点から、脅迫や世論工作の筋書きを作っていたのは、かなり少人数か、単独の可能性が高いと私は考えています。
少人数で手を広げたため、ロジックを詰めきれずつじつまが合わなくなっていったというのは、前半の丁寧さと後半の雑さの差に説明がつくと考えます。
⑧GMOの対応について、私の見解
GMOの対応については、ネット上でもさまざまな意見があります。
身代金の要求額は当初5000万ドル(約80億円)だったものの、100万ドル(約1.5億円)まで下がっています。
犯人はここまで下げれば払うだろうと見込んでいたのだと思いますが、それでもGMOは最初から最後まで一度も応じず、戦うという判断をしました。
払わなかったことは批判もされていましたが、結果を見ると、この判断は犯人をあぶり出すうえでかなり効いていたと私は考えています。
GMOが応じないので、犯人は圧力をかける手段を次々に増やすしかなくなった結果として、役員への脅迫、被害者へのメール、被害者フォーラム、被害者のふりをしたアカウント、要求額の引き下げ、個人情報の公開などの想定外の手数を増やすたびにボロが出ていき、28日のドメイン事業者からのドメイン停止もあり、犯人側が一時退避したという見方をしています。
そもそも、払ってもデータが消される保証はありませんし、身代金を払わないことは、警察や専門家が一般的に勧めている対応でもあります。
(もちろん、侵入を許したこと、社内で指摘されていた課題への対応が遅れたこと、個人情報の流出が発生したことに関しては、それとは別に問われるべきだと思います)
⑨最後に、皆さんに実践してほしいこと
最後に、自分ごととして持ち帰っていただきたい、すぐにできる対策を書いておきます。
参考にして、一つ一つ実践いただけると本望です。
■一般の方へ
怖いもの見たさで、脅迫サイトや怪しいリンクを開かないでください。
開いただけで、IPアドレスや使っている端末の情報が相手に渡ることがあります。
事件のあとに、被害者の会や補償のサポートを名乗って近づいてくるアカウントは、まず疑ってください。
認証バッジは、お金を払ったという印で、身元の保証ではありません。このアカウントも課金してバッジを付けていました。
お金に困っていることをハッシュタグで書くと、こういうアカウントに見つかります。
知らない人からの「案件があります」という声かけは、入口だと思ってください。
使っていないSNSアカウントは、消すか、2段階認証をかけておいてください。
今回も、何年も放置されていたアカウントが工作に使われていました。
困ったらまずは、ChatGPT、Claude、Geminiのどれでも大丈夫なので、AIに詳細に状況を伝えて、相談するようにしてください(パスワードや口座番号などは入力しないでください)
実際にお金や情報の被害が出ているときは、AIより先に、警察のサイバー犯罪相談窓口や、利用しているサービスの公式窓口に連絡してください。
■法人の方へ
「脆弱性を見つけたので非公開で話したい」という連絡には、善意の報告と、謝礼目当てのベグバウンティと呼ばれるものが混ざっています。
受け付ける窓口とレポートライン、対応ルールを、先に決めておくことが大切です。
会社の回線から見るとどの会社の誰が反応しているかを相手に教えることになるため、社員さん達が脅迫サイトや犯人の関連サイトを会社の回線から見に行かないよう、周知してください。
使い終わったサーバーやアカウントを放置しないでください。
残っているものは狙われると考えておいた方がいいと思います。
■リモートデスクトップを使う方へ
接続設定で、手元のPCのドライブを共有する項目がオンになっていないか確かめてください。
オンだとつないだ先のサーバーから自分のPCのファイルが見えます(今回はそこから利用者の手元のファイル一覧が抜かれていました)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
冒頭にも書きましたが、こうした手口は、一人が知っているだけでは防げません。知っている人が多いほど、通用しなくなります。
ご家族や職場の方、FXやリモートのサーバーを使っている知り合いなど、届いてほしい人がいれば、ぜひ拡散していただけたらうれしいです。
それがそのまま、誰かを守ることにつながると思っています。
ミトコンドリア大全:「細菌の系統樹は描けない」と諦められていた時代がありました|丸山智久 @tmzo note.com/envirome/n/n37b8005…























